骨伝導イヤホンで自分専用BGMを聞きながら快適サイクリング

コロナ禍でオンライン打合せが急増し,常にイヤホンと共に生活する日々を強いられるようになりました。

最初は,いわゆる”カナル型”と呼ばれる耳の中に突っ込むタイプのイヤホンを使用して問題なく生活していたのですが,ある日急に耳から汁が出るようになり,耳鼻科に行ったところ「外耳炎」と診断されました。

2週間ぐらいで治ったので,「もう大丈夫だろう」と思ってまたカナル型イヤホンを使用したところ再発。それ以来,何度試しても耳がカナル型を受け付けなくなりました。

とはいえ,仕事上でイヤホンは必須なので,iPhoneに付属してある通常のAppleイヤホンに切り替えて使っていましたが,それでもたまに痒くなることがあったので,そもそも”耳に突っ込むタイプ”のイヤホン自体を見直すことにしました。

候補として上がったのが,”耳を塞がないタイプのイヤホン”で,こちらもまたいくつかを試してみましたが,最終的に行き着いたのは「骨伝導イヤホン」でした。

そこで今回は,骨伝導イヤホンを数ヶ月使用して分かったメリット・デメリットについて,日々の生活・サイクリング時の観点からご紹介します。

骨伝導イヤホンとは?

骨伝導イヤホンとは,頭部の骨を振動して音を聴覚に伝えるタイプのイヤホンです。

通常のインイヤーイヤホンやヘッドホンは,音を空気で伝えて「鼓膜」で音を認識しますが,骨伝導イヤホンは空気ではなく”骨”で伝えます。

つまり、鼓膜ではなく直接“内耳”に音を伝える技術が骨伝導技術になります。

「内耳で聞く」という感覚がよく分からない方は,せんべいを食べる時に聞こえる”ボリボリ”という音が,内耳を通じて聞こえている音だと伝えれば分かるかもしれませんね。

私達の日常生活でも”内耳を通じて音を聞く”ということは当たり前なので,「怪しい」とか「危険」と思う必要はありません。

私も最初は「本当にこれできちんと音が聴こえるのだろうか?」という疑問がありましたが,問題なくクリアに音を認識できます。(初めての時は違和感ありありでしたがw)

骨伝導イヤホンでなぜ”音が聴こえる”のか,そのメカニズムに興味のある方はShokzのサイトをご参考にすると面白いです。

骨伝導イヤホンの「Shokz」

私が選んだ骨伝導イヤホンは,ワイヤレスオープンイヤーBluetoothイヤホン「Shokz」です。

※2022年1月より、ブランド名が「After Shokz」から「Shokz」に変更されました。

理由としては,各種レビューなどを見て,2年ほど前の製品にも関わらず,非常に性能が良いという評判の良さにあります。

また,私のように普段から運動をして汗をかく人をメインターゲットとした製品である(=防水対応である)という点にも魅力を感じました。

そして,この骨伝導イヤホン「Shokz」を購入してから半年ほど愛用していますが,耳の痒みや外耳炎とは無縁で非常に快適なので,その良さについてご紹介します。

メリット

常に音楽と共にいられる

私は,過去に楽器に没頭したことがあるぐらい音楽が好きです。

無音な状態も好きではありますが,作業をしている時には音楽が欲しいと思うタイプです。(主にクラシックやジャズを聴きます)

骨伝導イヤホンは耳を塞がないので,環境音を聞きながら音楽も聴こえるという不思議な体験になりますが,自分専用のスピーカーを持ち歩いているという,音楽好きにとっては嬉しい環境が出来上がります。

家族とのコミュニケーションが容易(周りの音が聴こえる)

我が家には,私の部屋に突如として現れ、マシンガンのように話しかけてくる子供がいます。

小さい子はまだ会話もうまくできないため,身振り・手振りや言葉の端々から「何を言いたいのか」を汲み取ってあげる必要があるのですが,骨伝導イヤホンであれば会話もしっかりと聞くことができるので,快適にコミュニケーションをとることができます。

また,家事中のお供にも最適で,子供と話しながら洗濯や洗い物をすることもできるので,家庭生活を阻害しない点も気に入っています。

軽量でストレスフリー

私の使用する「Shokz Aeropex」は,”26g”と非常に軽量です。(同じShokzのOpenMoveは”29g”です)

耳にかけるモノなので,重いと耳に負担がかかりそうではありますが,26g程度だと快適で,Shokz単体では長時間着けていても全く気になりません。

また,持ち運びをするという点においても,軽量であることは大きなメリットになります。

サイクリング中に使える

サイクリストにとっては,これが最大のメリットと言っても過言ではありません。

先述のとおり耳を塞がない仕様なので,周りの環境音をしっかり捉えつつ自転車を楽しむことができます。

最初は少し不安でしたが、実際に試したところ車の音もしっかりと聞こえるので、安全面の心配は必要ありませんでした。(ただ、大音量で聞きすぎないよう注意する必要があります)

ただ、この骨伝導イヤホンを自転車で使用することに関しては各都道府県で条例が異なり、違反扱いになる可能性があるため,問題がないかをきちんと確認したうえで使用しましょう。

※サイクリング中の使用に関しては自己責任でお願いします。

デメリット

高価である

おそらくまだ大量生産されていないせいか,骨伝導イヤホン自体はまだ高価な印象を受けます。(一部怪しいのが安く売られていたりもしますが,実用性は不明です)

私の所有する「Shokz」シリーズは,エントリーモデルの「OpenMove」でも約1万円という価格になります。

万人が気軽に買って試せるというのは,もう少し先の世になりそうです。

耳が痛くなる時がある

コロナ禍で外出時はマスク着用が必須となりました。

マスクを着けてから骨伝導イヤホンを装着し,さらにメガネをかけると耳の上部分に負荷がかかり,痛みを感じることがあります。

私は自転車に乗る時もマスク(NAROO MASK)を使用するので,自転車のときは耳周りにマスク・アイウェア・骨伝導イヤホン・ヘルメットのあご紐の4つ分の負荷が掛かります。

いかに軽量といえど,こればかりは致し方ないので,痛みを感じた時は骨伝導イヤホンを外して休憩するしかありません。

音質を求めるものではない

骨伝導イヤホンは環境音と共に音を聴くことができる設計であるため,音質に関しては一級品ではありません。中音域から高音域はよく聞こえますが,低音域は期待しない方が良いです。

素敵な音で楽しみたいということであれば,(自転車中の使用はNGですが)外部スピーカーやインイヤーイヤホン,ヘッドホンを使用する方が確実です。

とはいえ,一昔前の骨伝導イヤホンよりは遥かに音質は上がっていて,実用性は十分なのでご安心ください。

歌詞付きの大好きな曲は危険

これは誰しも経験があるかと思いますが、自分にとってノリノリの曲をかけてしまうと、ついつい口ずさんでしまいます。

そうすると周りの音が聞こえなくなってしまうので、サイクリング中に自分の好きな曲(歌詞付き)を流すのはやめておきましょう。

サイクリング中は風切り音もあって,自分の好きな音楽が聞こえるとついつい音量を上げがちなので十分に注意してください。

DancingFMでもShokzの魅力について語っています

私がパーソナリティを務めるロードバイク初心者向けポッドキャスト番組「Dancing FM」でも,Shokzの魅力について語っていますので,ご興味のある方はこちらもぜひお聴きください。

※2021年に収録したものであるため,番組内では「Shokz」ではなく「After Shokz」(アフターショックス)という呼称で呼んでいます。

おわりに

コロナ禍でオンライン上のやり取りが激増し,イヤホン・ヘッドホンへの注目度が上がっています。

特に,雑音を消し去るノイズキャンセリング対応のカナル型イヤホン・ヘッドホンの人気が上がっていて,市場全体が”耳を完全に塞ぐ”という傾向に走っていると感じていますが,同時に,耳の病気になるケースも多く目にするようになりました。

「物事に集中したい」や「周りの音が気になる」といった理由からノイズキャンセリングイヤホンを使用するのは良いと思いますが,外を出歩く時に,周りの音が聞こえなくなるほど音をシャットアウトするはリスクも伴います。(自転車に乗る時には法的にも安全面からも絶対にNGです)

骨伝導イヤホンは耳を塞がないため,没入感は得づらいモノではありますが,その代わりに安心・安全が得られるモノになります。

環境音を聞きつつ,BGM感覚で音楽を愉しむ。

そんな骨伝導イヤホンと「不思議な快適音響空間」を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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