例年よりも早く桜が散りつつある今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さて、突然ですが九州にお住まいの皆さんは、「4月に雪が降る」なんて言われても、鼻で笑うのではないでしょうか。「コイツ、頭おかしいんじゃねーのwww」と。
ましてや、仮にそのような異常気象にあって、ライドに出かける人間がいるなどとは到底思わないでしょう。
今回は、そんな環境の中を走ってきた果敢な勇者たちの物語を綴りました。(これは、2018年4月7日に実際に起きたお話です)
ということで、前置きですでにネタバレしちゃったので、これ以上のネタはありません。そっと「戻る」ボタンをタップすることをオススメします。
走行コース(予定)
コースはこのような感じ。
「獲得標高:2480m」とかなってる時点で、この日はすでにおかしかった。
「久しぶりにグループライドに行ける」ということが楽しみで、前日まで獲得標高もルートも確認していなかったアホです。
ちなみに、この日の天気予報は「曇りのち晴れ」、降水確率は「30%以下」、気温が低いものの「まぁ、走れなくはないな」という印象でした。
メンバー
いつもの気心知れたメンバーなので、安心して普段どおりの自分を晒け出せます。(どういう意味かはご推察ください)
集合
集合は筑前前原駅にて。
自宅が一番近いはずの自分が一番遅れて到著するという、いきなりのクズっぷりを発揮していきます。
とにかく風が強く、気温が低いので、4人で「寒い〜〜〜!!」という形容詞を連呼。特にドルトさんは自走で来ていたこともあり、汗冷えでツラそうなご様子。
そして、これだけ寒いのに、やますたさんとドルトさんは夏装備という勇者ぶり。
とにかく体動かさないとヤバいということで、早々に出発します。
筑前前原駅〜長野峠
体が温まってきた頃に、長野峠(白糸の滝へ向かう坂)へ突入します。
ここで、やますたさんが担いでいる謎のリュックに、クレメルさんが反応。
クレメルさん
やますたさん
クレメルさん
正直、このあたりまでは最高の気分でしたね。
今日のライドはとても楽しいものになる、キャッキャウフフしながら、天山のテッペンを獲って温かいコーヒーを飲んでいる4人の姿を、誰一人として疑いませんでした。
その結果が・・・コレだ。
雨じゃない。雪。
「4月の雪」
なんか歌の題名にでもなりそうなステキな響きだが、リアルで起こると悲惨でしかない。
この天気に愕然とするも、天気が回復するという予報を信じ、雪の中を登坂します。
天気は回復するどころか悪化の一途。気合いで登頂。
写真では分かりづらいですが、視界は真っ白です。
ドルトさんなんて、今にも雪に消えてしまいそう。
まぁ、正直ここで引き返しておけば良かったわけですが、「目的のちゃんぽんが食べたい」という一心で、佐賀方面へ下りることを決意します。
そして、この下りでさらに死ぬことに。
長野峠〜しゃくなげの里
下りの寒さがおかしい。4人の口から悲鳴しか出ない。
クレメルさん
やますたさん
ドルトさん
ゆるぽ拓
しかも、雪が”ひょう”にトランスフォームするので、痛い。
指の感覚がない。まともにブレーキもかけれない。そんな状況でただひたすら下ります。※もちろん写真なんか撮れてません。
ようやく「しゃくなげの里」に到着し、たまねぎスープとコロッケで暖をとります。
このあたりからすでに意気消沈ぎみで、「引き返そうか・・・」などという声も出ますが、「ここまで来たから、せめてちゃんぽんは・・・!」と、呪文のようにとなえつつ、さらに佐賀方面へ向かいます。
しゃくなげの里〜ちゃんぽん
佐賀市内方面に下っていくにつれ、雪が雨になっていきます。
もう鯉のぼりが飾られるような時期なのに、この寒さとかまじウケる。
ちゃんぽん
地獄の下りから佐賀の平地を抜けて、目的のお店「明日香 大和店」に到着します。
ようやく、目的の「きくらげちゃんぽん」と出会います。すごいボリュームで、麺までたどり着くまでがとにかく大変。
ドルトさんは、あまりのボリュームに途中で断念。
ドルトさん
濃厚スープ+寒さ+疲労で、ドルトさんの“あきらめモード”が炸裂。
温かい食事で一息ついたものの、外の雨は一向に止む気配なし。
予定していたルートでは、これからがメインの天山でしたが、状況が悪すぎるので、来た道を戻り、唐津方面へ抜けることで合意します。
とりあえず、ちゃんぽん後に甘いモノが食べたくなったので、隣のコンビニで追加補給。
しかし、補給が終わったのに、一向に動こうとしない人々・・・。
クレメルさん
やますたさん
ドルトさん
ゆるぽ拓
クレメルさん
みんな、寒くてお外に出たくないご様子。
それでもなんとか外に出て、またもや悲鳴を上げつつ、4人は自転車に乗ります。
折り返し、そしてさらなる地獄へ
「明日香」を出発し、来た道を戻って糸島方面へ向かいます。
そして、この頃から少しずつ晴れ間が見えだします。
やますたさん
クレメルさん
やますたさん
ゆるぽ拓
みたいな会話を楽しみつつ、しゃくなげの里に向けて登坂。
しかし、風が強いので雲の動きが早く、雨が降ったり晴れ間が出たり。
ゆるぽ拓
という悲鳴と、
ゆるぽ拓
という安堵を、ひたすら繰り返します。
再度、しゃくなげの里にて休憩し、ソフトクリーム等を補給。
しゃくなげの里に着く頃には良い具合に天気が回復していたので、みんなのテンションも少し回復します。
まぁ。。。
ここまでは、よかった。
それからさらに登り続けるも、どうも雲行きが怪しい。
その結果が・・・コレだ。
お分かりいただけただろうか。
「強風+雪」で、完全に吹雪。
4人は既に何かを乗り越えて笑いの境地に達し、吹雪の中をひた走る。
これが、桜も散りゆく九州の4月だと、誰が信じるだろうか。
こんな地獄の中を走り続け、唐津に向かう途中のコンビニで休憩します。
「停車したら、晴れる」 なにこれ。
最後に、唐津でめちゃうまいという評判の「けいらん」をいただきます。
もはや、このけいらんのために1日がんばったと言えるぐらい、やさしいお母さんの味でした。
解散〜糸島へ
けいらんを食べたのち、クレメルさん・ドルトさんとお別れです。
やますたさんと私は、海岸沿いを走って糸島方面へ戻ります。
ここにきて天候も回復したので、のんびり帰りたいなーと思っていた矢先、基本的に追い風という状況もあって、やますたさんが回す回す。
途中で脚が完全に終わってしまい、やますたさんについていくこともできず、追い風+惰性だけで走りました。
走行距離が100kmを超えると、途端に脚が回らなくなるのは自分の大きな課題ですね・・・。
そのまま無事に糸島市内へ戻り、やますたさんとお別れ。
おわりに
約2ヶ月ぶりのグループライドで、よもやこんなヒドい目にあうとは思いませんでしたが、おかげで”忘れたくても忘れられないライド”になりました。
皆さまも、「4月の雪」には十分ご注意ください。
今回ご一緒いただいた、やますたさん、クレメルさん、ドルトさん、ありがとうございましたm(_ _)m
あ、ちなみに、やますたさんが背負っていたバッグのコーヒーには結局ありつけず、やますたさんは1リットルの水を背負ったまま走り続けるというドMっぷりを発揮しました。(尊敬の念を込め、ここにご報告いたします)