さて、今回はチューブのお話です。
自転車に使われるチューブは、「ブチルチューブ」と「ラテックスチューブ」の2種類があります。
一般的に普及しているのはブチルチューブで、自転車を買った時に付属してくるのもブチルチューブです。
なぜ一般的に使われるのがブチルかというと、端的に言えば熱や光に強く、空気が抜けにくいうえにコストを抑えられるからです。
これだけ見ると「ブチル最強じゃん」となるのですが、ラテックスにはブチルとは違った特性があって、ラテックスを好んで使用している人がいるのも事実です。
今回、ライド仲間の紹介でラテックスチューブと出会う機会ができたので、実際の体験からラテックスチューブのメリット・デメリットについて書いてみました。
ブチルチューブとラテックスチューブの違い
まずは、ブチルとラテックスの違いについて超ざっくりと触れておきます。
- ブチル・・・原料は石油で、そもそもゴムではない。
- ラテックス・・・天然ゴムが原料。
すごい端折りっぷりですが、ブチルは化学物質から成っていて、ラテックスは自然界にある物質から出来ているというのが大きな違いです。
難しいことや専門的なことは他のサイト様を見たほうが100倍タメになるので、ここでは詳しく書きません。(私が一番参考にさせていただいたサイト様を貼っておきます)
では、そのラテックスチューブにどんなメリット・デメリットがあるのかを紹介していきます。
ラテックスチューブのメリット
まずは、ラテックスチューブのメリットについて触れていきます。
耐パンク性能が高い
素材がゴムなので、物理的な要因によるパンクが発生しづらいです。
ブチルよりもパンクに強いので、それだけで安心感が得られるのは大きいですね。
漕ぎ出しが軽くなる
停止時からの漕ぎ出しが軽くなり、スムーズに発射ができます。
これはブチルよりも軽量であることと、なめらかな加速感が得られることの2点が主な理由だと思われます。
回りが良くなる
ラテックスは、一般的なブチルと比べて両輪分で数十グラムの軽量化が図れます。
そのため、純粋にホイールの外周部が軽くなり、よく回るようになります。
乗り心地が良くなる
これが個人的に最も嬉しいメリットです。
ゴム素材のラテックスは、クッション性が高いため乗り心地が向上します。
路面から自転車を通じて伝わる振動は体にとって負担なので、振動吸収性の低いアルミフレームやホイールを使っている方にとってはラテックスチューブで負担軽減が図れます。
ラテックスチューブのデメリット
ラテックスチューブには当然ながらデメリットもありますので、ここで紹介していきます。
お高い
これが最大のデメリットですね。
国内で容易に手に入るラテックスチューブは数種類ありますが、比較的安価なVittoria製品であっても、ブチルより2〜3倍ぐらいの値段(1,500円程度)がします。
これを投資だと割り切って払えるかどうか・・・といったところでしょうか。
気軽に使い回せない
ラテックスチューブは、使い続けるうちにリムの型がついたり、形状が元に戻らなくなるため、パンクをしていなくとも、タイヤ交換のタイミングで新しいチューブに交換する必要があります。
ブチルのように何度か使い回すことができないというのは、デメリットの一つになります。
光や熱に弱い
私も実際に使っているわけではないので詳しくは分かりませんが、カーボンクリンチャーホイールとの組み合わせだと、下りのブレーキングで熱を持って溶けたりすることがあるそうです。
カーボンホイールなんてブルジョアが使うものなので、そもそも私が使う機会なんてあるのか分かりませんが、カーボンホイールを使用している方は安易にラテックスに飛びつくのはやめたほうが良いでしょう。
すぐに空気が抜ける
少し科学的な話になりますが、ラテックスはブチルよりも分子が大きいため、分子の間を空気が抜けやすい特性を持ちます。
そのため、ラテックスはみるみる空気圧が低下していきます。1日1bar減るなんてのが当たり前です。何も知らないと「スローパンクか!」って思いそうですよね。
これは非常に大きなデメリットのようにも見えますが、一般的なローディーであれば走る度に空気を入れるクセがついているでしょうから、そこまで気にする必要はないのかなと感じてます。
試走してみた感想
今回、ライド仲間のススメでVittoriaのラテックスチューブを手に入れたので、さっそく試走してみました。
ライド仲間『これ使うと、走りがめっちゃ”シルキー”になりますよ』
と言って渡された時に、
ゆるぽ拓
という感じだったのですが、実際に走ってみたら、
ゆるぽ拓
となりました。
走り出した瞬間に違いが分かって、最初はその柔らかさに強烈な違和感を感じました。「これパンクしてんじゃね?」って思ったぐらいです。
しかし、「なにこれ気持ち悪い・・・」と感じていたのが、10kmぐらい走ってその違和感に慣れてくると逆に心地よくなってきて、「これはいい!最高にシルキー!」に変わりました。それぐらいクッション性が高いです。
以前、タイヤを変えた時にその違いすらロクに分からなかった私ですら分かるほどの違いをもたらすラテックスチューブ、マジヤバイです。
>>>参考(過去記事):タイヤをUltra Sports2(イエロー)に交換【初めてのタイヤ交換】
ちなみに前評判どおり、漕ぎ出しの軽さは感じられました。
そのほかに、走りが速くなるという説もあるようですが、そもそも速く走れないので違いはわかりませんでした。
おわりに
正直、ここまで体感的に違うとは思わなかったので、良い意味で期待はずれでした。
まだ50kmぐらいしか走っていないので”ラテックスチューブの本当の効用”というのは得られていませんが、100kmを超えるライドになれば大きな違いを感じることになりそうです。
先述の通り価格は高いのですが、それに見合うだけの価値があると思うので、今後は予算の許す限りラテックスチューブを使っていきたいと思います。
私のように乗り方がなかなか上手くならず、体に負担をかけやすい走り方をしている人は、一度ラテックスチューブを試してみてはいかがでしょうか。
Vittoria Latex ラテックス チューブ 2個セット RVC 700c 仏式48mm ビットリア (700×25/28c) [並行輸入品]
ブチルとラテックスの違いがよく理解出来ました。チューブラーの時代(ロードレーサーはクリンチャーはほぼ使われてなかったと思います)は練習用と試合用で使い分けていたはすですが、改めて「随分違いそうだなぁ」とちょっと使ってみたくなりました。ありがとうございました。
あ、クリンチャーじゃなくWO あるいはチューブラーでした(๑>◡<๑)
>コケ丸さん
雑な記事なのにしっかりと読んでいただいたようでありがとうございますm(_ _)m
私の感覚は大してアテにならないと思うので、ラテックスチューブにあまり劇的な変化は期待せずに「試してみっかー」ぐらいの気持ちで試していただければと思います!!