ありがとう「Zwift」、よろしく『MyWhoosh』

5/8(水)、Zwift公式から一通の非情なメールが届きました。

その内容は、月額契約にして「1,650円から2,400円へ値上げをする」というもの。

Amazonプライム(600円/月)を超える上げ幅にさすがの私も驚いてしまい、これまで”あえて”見ないふりをしていた他のバーチャルサイクリングサービスの検討を本格化。

その中で「MyWhoosh」という、UCI公認のバーチャルサイクリングプラットフォームがあるということを知り、2、3回ほど試した結果、

ゆるぽ拓
ゆるぽ拓

『あっ、もうこれでいいわ』

という結論に至ったので、Zwiftを解約し、『MyWhoosh』へ移行しました。

そこで今回は、ZwiftからMyWhooshへ移行した理由やポイント、MyWhooshの注意点について書きました。

本記事は、2024/5/17時点の情報を記載しています。
今後のアップデートで機能向上や改善が行われる可能性があります。

この記事はこんな人にオススメ

  • Zwiftの値上げに愕然とし、ご飯も喉を通らない人
  • Zwiftに課金してるけど、利用頻度が少ない人
  • 初めてバーチャルサイクリングをやってみたい人

「MyWhoosh」とは

「MyWhoosh」は、UAEに拠点を置くバーチャルサイクリングプラットフォームで、ユーザーが仮想世界で交流やトレーニング、レースを楽しむことができます。

このプラットフォームには数多くのワークアウトやレース等があり、アラビア、コロンビア、オーストラリア、ベルギーなどの都市を走行することが可能です。

MyWhooshは見た目がZwiftに似ているのに、「無料」というのが最大の特徴です。

MyWhooshはUCI公認プラットフォーム
MyWhooshはUCI公認のプラットフォーム

また、MyWhooshは国際自動車競技連合「UCI」が公認するプラットフォームであり、2024〜2026の3年間、サウジアラビアで開催される『ESPORTS WORLD CUP』の開催権を持ってるというこもあって、今後の拡がりが期待されます。

MyWhooshの人気が急上昇(MacのApp Storeより)
MyWhooshの人気が急上昇(MacのApp Storeより)

なお、ここ数日でMyWhooshの需要が急上昇しており、WindowsのMicrosoft Store無料アプリランキングで30位以内MacのApp Storeに至っては、ヘルスケア/フィットネスの無料アプリランキングで1位になっているのが興味深く、私と同じようにZwiftに絶望した人が多いのだろうなと想像できます。(2024/5/13時点の情報)

バーチャルサイクリングに求めるもの

今回、ZwiftとMyWhooshを評価するにあたり、あらためて「自分がバーチャルサイクリングサービスに何を求めているのか」を洗い出しました。

  • スマートトレーナーとの連携(パワー、ケイデンス、自動負荷)ができる
  • トレーニングメニューが豊富で、視覚的に分かる
  • ERGモード(ギアチェンジ不要)に対応し、レスポンスが良い
  • 走行データをGARMINもしくはOura Ringへ連携できる
  • ランニングコストが低い(=安い)

バーチャルサイクリングになくてもいいもの

バーチャルサイクリングに求めるものを洗い出したうえで、次は逆に「これはなくてもいいや」と思えるものを洗い出します。

  • 見た目のいいキャラクターが使える
  • 魅力的なコースを走ることができる
  • ウェアや自転車の種類が豊富で、お着替えが楽しい
  • 仲間とワイワイ走ることができる
  • ライドイベントに参加できる

これで、私にとって必要なバーチャルサイクリングの要件が見えたので、この内容と照らし合わせながらMyWhooshをレビューしていきます。

MyWhooshのレビュー・評価

まずはレビューにあたっての前提となりますが、私が今回使用したのは割と高性能なデスクトップPCになります。

<今回のレビューで使用したPCのスペック情報>
 CPU:Intel Core i9-10850K 3.60GHz
 メモリ:32GB
 GPU:NVIDIA GeForce RTX 3070

使用するPCの性能や、端末の違いによって異なる結果になる可能性がありますのであしからず。

対応プラットフォーム:

MyWhoosh対応プラットフォーム
MyWhoosh対応プラットフォーム

まず、MyWhooshはZwiftと同じく、幅広いプラットフォームで利用することができます。

Windows・Macはもちろんのこと、iOS(iPhone, iPad)・Android、Apple TVに対応しています。(求められるスペックは公式サイトに記載)

なお、Windowsに関しては軽量版の「MyWhoosh Go」というアプリが用意されています。

というのも、Windowsフル版(画面にはDESKTOPと表示されている)アプリは、「20GB」という大きなデータが必要になるからです。

20GBという大容量なアプリ
20GBも何が入ってるの・・・。

よって、スペックが低かったりディスク容量の少ないPCを使用している場合は「MyWhoosh Go」を選ぶことになります。ただ、Goは劣化版だと思われるので、あまりオススメはしませんが・・・。

スマートトレーナーとの連携:

初期画面
初期画面

インストール後、MyWhooshのアカウントを登録する画面が出てくるので、アカウントを登録するとプレイできるようになります。(MyWhoosh公式サイトからのアカウント登録も可能です)

アカウント登録後の画面
アカウント登録後の画面
スマートトレーナーとの接続
スマートトレーナーとの接続(ペアリング)は簡単

自分のアカウントを選択するとローラーとの接続画面になるので、自分の使用しているローラーを選択します。(MyWhooshの推奨スマートローラーは公式サイトに記載)

私が使用しているxplovaシリーズ非推奨ということもあって、Bluetoothでペアリング接続まではできるものの、いざ走り出そうとしたら”回しても何も反応しない”という事象が発生しました。(Windowsの問題かと思い、Macでも試したが同じ現象が発生)

そのため、接続方法を「ANT+」へ変更。ANT+では問題なく接続できました。

もし、私と同じxplovaシリーズを使用されている方は同じ現象が起きる可能性がありますのでご注意ください。

なお、一般的なPCはANT+の受信機能がないので、ANT+で通信したい場合には、追加でANT+対応のUSBドングルを購入する必要があります。

また、スマートローラーとの連携機能であり、私が重要視していた「ERG」(スピードやケイデンスに関係なく、スマートローラーが自動的に負荷を判断して特定の目標パワーを維持する機能)にはしっかりと対応しており、トレーニング中、ケイデンスに応じて自動で負荷が変化することも確認できました。

画面操作:

MyWhooshのメイン画面
MyWhooshのメイン画面

こちらがMyWhooshのメイン画面となります。

パッと見て、どこを押せばよいか分かる画面なので、操作に困ることはありません。

Zwift同様、着せ替えが可能
Zwift同様、着せ替え要素あり

また、MyWhooshはZwiftと同じように、ロードバイクを変えたり、ジャージ・手袋などを変更することが可能です。

ただ、Zwiftと比べて種類は少ないので、「着せ替え要素」を楽しみにしている人は物足りなさを感じるかもしれません。

なお、バグなのかもしれませんが、まれにマウスが反応しなかったり、ワークアウトをお気に入りに登録したのに再ログインしたら消えるといったことがありました。このあたりはまだまだ改善の余地があるのかな、と。

ライド感:

遜色なくバーチャルサイクリングを楽しめる
ストレスなくバーチャルサイクリングを楽しめる

本記事を書く前に、3回ほどワークアウトを試しました。

結果は「Zwiftとほぼ同じで、ストレスなし」です。

パワーやケイデンスの伝達はもちろんのこと、自動負荷機能(坂にさしかかると自動でペダリングが重くなる)もラグなく利用できました。(※PCとスマートローラー間はANT+で通信)

ただ、一部Xの情報で「ラグがある」という報告も出ているようなので、使用するPCのスペックや端末によっては快適なゲーム体験ができない可能性もありそうです。

ワークアウトの豊富さ:

ワークアウト画面
ワークアウト画面

ワークアウトは、Zwiftと比べて遜色ないほどの種類が用意されています。

豊富なトレーニングメニューが用意されている
豊富なトレーニングメニューが用意されている

時間や負荷で、好きなトレーニングを選択できるのはとても魅力的ですし、UAEのサービスということもあって、タディ・ポガチャル有する「UAE Team Emirates」のプロトレーニングメニューなんかも用意されています。(ミーハーにはたまりませんネ)

もちろん、ワークアウトだけでなく、コースだけ選んで好きに走る「フリーライド」も準備されています。

自作ワークアウト:

自作のワークアウトは作れるが・・・
自作のワークアウトは作れるが・・・

中には、「自分専用のオリジナルワークアウトを作りたいんだ!」という方もいらっしゃるかと思います。

そんな方のため(?)に、MyWhooshには自分でワークアウトを作ることができる機能も用意されています。

作成自体は視覚的で分かりやすいのですが、一つ気をつけないといけないのが”20項目までしか作ることができない”という点です。

そのため、細かく負荷を変化させる(例:高負荷・低負荷を繰り返す)ような項目を追加していると、すぐに20項目を超えてしまい、エラー画面が表示されます。

私はZwiftでお気に入りだったワークアウトをコピーしようと思ったのですが、30項目近くあって作れなかったので断念しました・・・。

各種イベント:

イベントも豊富
イベントも豊富

MyWhooshには、Zwift同様にイベントが多数用意されていて、気軽に参加することができます。

参加方法は、事前にエントリーをして、決まった時間にバーチャル上に集合という形になります。

ただ現状、自分でライドイベントを作成するためには、WEBサイトから面倒くさそうなフォームで申請するしかなく、”気軽にコミュニティライド”をするということはできなさそうです。

他システムとの連携:

本記事の執筆時点で、MyWhooshのアクティビティを連携できるサービスは以下の3つです。

普段からこれらのサービスを使用していれば問題ありませんが、私のようにGarminを中心にしている方は、一旦Strava経由でGarminへ連携する必要があります。まぁ、Stravaだけでも連携してくれて良かったと思いましょう。

ランニングコスト:◎◎◎◎

MyWhooshは、現時点で『無料』で利用できます。

色々と書いてはきましたが、結局これがMyWhooshの最大にして最強の特徴です。

じゃあ、無料だから「安かろう悪かろうなんでしょ?」というと、これまで書いているとおり、Zwiftと比べて極端に劣る部分はありません。

この敷居の低さは、これからバーチャルサイクリングをやってみたいと思う方々をアシストしてくれることでしょう。

過去のアクティビティ確認:

過去に自分がやったライド情報(アクティビティ)を分析したいという方もいるかと思います。

そんな時は、MyWhooshのアクティビティページから走行内容を確認することができます(ダウンロードも可能)

アクティビティ詳細画面
アクティビティ詳細画面

また、スマートフォン向けアプリ「MyWhoosh Link」(iPhone版Android版)でも、過去のアクティビティを確認することができます。

まとめ

これまでの情報を基に、MyWhooshの良いところ・悪いところをまとめました。

MyWhooshの良いところ

  • 無料!!
  • 『UCI公認』というお墨付き
  • 幅広いプラットフォーム(Windows、Mac、iPhone、Android)に対応
  • 見た目や操作感はZwiftとほぼ同じ
  • ワークアウト、イベントが豊富
  • レベルや装備など、ゲーム要素も充実
  • Stravaとの連携が可能
  • 無料!!

MyWhooshの微妙なところ

  • 非推奨スマートトレーナーとの接続に不安あり
  • 変更したデータがうまく反映されないことがある
  • 日本語非対応(英語オンリー)
  • コミュニティライドは作れない(作りづらい)
  • 自作ワークアウトは”20項目制限”あり

個人的な総合評価

ここまで書いた内容を整理し、自分が「バーチャルサイクリングに求める機能」と照らし合わせます。

  • スマートトレーナーとの連携(パワー、ケイデンス、自動負荷)ができる →
  • トレーニングメニューが豊富で、視覚的に分かる →
  • ERGモード(ギアチェンジ不要)に対応し、レスポンスが良い →
  • 走行データをGARMINもしくはOura Ringへ連携できる →
  • ランニングコストが安い →◎◎◎◎◎

結論:◎

おわりに

Zwiftを解約し、MyWhooshへ完全移行
Zwiftを解約し、MyWhooshへ完全移行

ということで、私は「MyWhooshで十分」という結論に至ったので、このたびZwiftを解約しました。

私のように、Zwiftの値上げに対して違和感を感じた方も多いのではないかと思い、今回、MyWhooshをしっかりと触ってレビューしてみました。

『無料』という言葉に踊らされてMyWhooshを贔屓目に評価したのではないかと思われそうですが、そこは逆で、「Zwiftに2,400円払うだけの理由を見つけたい」のが本音でした。

ただ、MyWhooshが自分にピシャリとハマってしまった感があって「やられたーーー」というのが正直な感想です。

正直、サービスとしてはZwiftの方が確実に上ですし、MyWhooshは小さい部分でストレスを感じることもあります。

しかし、そのストレスですらまぁ無料だし」という言葉でかき消される強烈な魅力があります。

もしMyWhooshを試してみて、Zwiftから移行したという同族がいらっしゃれば、Xやコメント等で教えていただけると中の人がかなり喜びます。(いただいた声は、別の記事やDancing FMで取り上げさせていただきます)

本記事を通じて、多くの方々に「MyWhoosh」の魅力がうまく伝われば幸いです。

『いままでありがとうZwift、これからよろしくMyWhoosh』

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