500〜1000kmも乗っていると駆動系、特にチェーンやスプロケットの汚れが目立ってきます。
ただ汚くなるだけならいいのですが、この汚れは自転車の走行性能を下げたり、劣化を促進する原因となります。
そこで今回は、初心者の私がやっている「割と安価で簡単にできるチェーンメンテナンス」について書きたいと思います。
準備するもの
- パーツクリーナー
- ミッシングリンク用マスタリンクツール
- オイル
- 布など
- ゴミ袋
- バケツ(中)
- (必要であれば)ゴム手袋
「ミッシングリンク用マスタリンクツール」とは、チェーンをつなぐ「つなぎ目の金具」を外すための工具となります。(※使い方は後ほど紹介します)
全部品とも、自転車屋さんに売ってあるような一級品(=高級品)で揃えるのも良いですが、私のような貧乏ローディーはメンテナンス費用もなるべく抑える必要があるので、Amazonと近所のホームセンターで揃えました。
パーツクリーナーは、ホームセンターで購入したものを使用しています。これはスプレータイプで、直接汚れに吹き付けて使います。
これは、ホームセンターで300円ぐらいで買いました。結構な勢いでなくなるので、買いに行くのであれば2,3本まとめて買っておくことをオススメします。(ちなみに、車コーナーに置いてあります)
メンテナンス手順
[作業前準備]インナートップ状態にしておく
作業前準備として、ギアを「フロント:インナー、アウター:トップ」にしておきましょう。
これからチェーンを外すにあたり、インナートップ状態(=テンション[張力]が最もかからない状態)にしておくことで、作業の安全性と効率性が確保できます。
1.ミッシングリンクを外して、チェーンを取り出す
私のロードバイクには、買った当初から「KMC X10」というチェーンが装備されており、このチェーンはミッシングリンクと呼ばれる繋ぎ目の金具でチェーンが接続されています。
1箇所だけ形が違うのが「ミッシングリンク」と呼ばれる部分です。
このミッシングリンク、外れてしまうと重大事故につながる可能性があるため、手で簡単に外せるような仕組みにはなっていません。
そこで、ミッシングリンクを外すために「ミッシングリンク用マスタリンクツール(ミッシングリンク用リムーバーとも言われる)」という工具を使用します。
使用方法は至って簡単。
▲ミッシングリンク部分にミッシングリンク用リムーバーを差し込み、グッと握り込むだけで外れます。
▲外れたらあとは手でうまく取ります。
▲ミッシングリンクを抜く際は、張られていたチェーンが一気に緩んでダランとなるのでご注意ください。
また、チェーンを外したタイミングでミッシングリンクも取り外し、分かりやすい場所に置いておきましょう。でないと、洗浄しているうちに外れてどっかに飛んでいきます。
▲初めてチェーンを取り外す場合、チェーンがギアの部分のどこを通っているかをしっかり確認しておきましょう。あとで取り付ける時に「あれ、どうだったっけ?」と、私のようになります。(事前に写真を撮っておけばより確実です)
2.チェーンにパーツクリーナーを吹きかける
取り外したチェーンを洗浄していきましょう。
▲取り外したチェーン。黒くなってますね・・・。
ここで、用意していたバケツにゴミ袋を被せます。これは、洗浄している最中に滴り落ちる汚れの受け皿となります。
▲バケツの上で、チェーンに直接パーツクリーナーを吹き付けます。黒い汚れがどんどん落ちるので、うまくバケツの中に落すようにします。(この汚れ、コンクリートに落ちたりすると取れないのです)
なお、このパーツクリーナーは吹きかけた部分が一気に冷却されてチェーンがとても冷たくなりますので、素手で触る時はご注意ください。
▲パーツクリーナーで洗浄する前と洗浄後の比較です。明らかに左側の方がキレイになっていることが分かります。スプレーだけでも十分にキレイになります。
3.チェーンを乾して、元に戻す
チェーンの洗浄がおわったので、次の工程に入ります。
▲パーツクリーナーの水分を拭き取ります。
チェーンを拭いたら、バイクに戻します。
外した時の逆の手順で、チェーン同士をミッシングリンクでつなぎます。外す時とは違って工具は不要です。手で溝にハメれば、あとはチェーンの張力でロックインされます。
なお、ミッシングリンクは3〜5回程度取り外したら交換した方が良いとのことです。
そんなに高価なものではないので、定期的にチェーンを洗浄しようと思っている方は、事前に買っておくと良いかもしれません。
4.注油
チェーンをバイクに取り付けたら、注油していきます。
使用するのは「FINISH LINE BIKE LUBRICANT」です。
この「FINISH LINE」シリーズは自転車乗り御用達のメンテナンスグッズです。
ホームセンターなどではなく自転車屋で販売されているモノなので若干高価ではありますが、オイルは重要なのでケチらないようした方が良いと先輩ローディーに教わったので、このオイルを使っています。
一コマずつ丁寧に注油して、全体になじませたら全行程完了です。
フィニッシュライン(FINISH LINE) ドライバイクルブリカント 244mlエアゾール Dry Bike Lubricant TOS07005
さて、ここまで素手で作業していたら、手が真っ黒になっているかと思います。
そんな時は「シトラスクリーン」を使って、油汚れを一掃しましょう。
シトラスクリーンの使用感などは、以前ブログに書いていますので、ご興味があれば。
いくらかかるのか?
さて、今回の準備品をゼロから揃えた場合いくらになるでしょうか。(準備するモノのレベルによって金額は変わるので、あくまで参考程度に)
項目 | 金額 |
①パーツクリーナー | ¥300 |
②ミッシングリンク用リムーバー | ¥600 |
③オイル | ¥1200 |
④布など(100円均一で購入と仮定) | ¥100 |
⑤バケツ(100円均一で購入と仮定) | ¥100 |
⑥ゴム手袋(100円均一で購入と仮定) | ¥100 |
合計 | ¥2,400 |
「②ミッシングリンク用リムーバー」以外は別のメンテナンス用途でも使えるので、そこまで大きな投資ではないでしょう。
最後に
美しいシルバーの光を放っているチェーンは、見ていてとても気持ちがいいものです。
グループライドに行くと、休憩時などに自分のバイクを見られることがあります。その時に汚れていると「やっべ、洗ってないのに見られてる(;・∀・)」と思うことでしょう。
さらに、グループライドの時だけでなく、ソロの時でも一般の方から「かっこいいねぇ」とか言われながらジロジロ見られることがあるので、チェーンはなるべく定期的に洗浄するようにしたいものです。
今回はチェーンの洗浄でしたが、チェーンはクランクやスプロケ、プーリといった部分を通って汚れるので、他の部分を洗う手順についても後日紹介したいと思います。
追記:スプロケの洗浄方法について記事を書きました。